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社会科学

日本中世にギフトエコノミーを訪う:贈与の歴史

対価との交換ではなく一方的な贈与を中心とした経済、ギフトエコノミー(贈与経済)という言葉がある。映画「ペイ・フォワード」のように、誰かに対して善意を送ることを連鎖、循環させていくものだ。思想だけでなく、実際にこの考えに則って運営されている...
人文学

人の感情とは必要なのか:感情の哲学

感情と理性は対比的に語られることが多い。しかし、本当に理性に対比されるようなものであれば、進化の歴史の中で感情は失われていっただろう。実際には感情には重要な機能があるのではないか。今回はそんなお話。 感情とは何なのか 感情の本...
社会科学

歴史から学ぶ:客観性を追求するためのアプローチ

プロクルステスの寝台とビジネス成功の重要性 「愚者は経験に学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉がある。しかし、この言葉には「プロクルステスの寝台」という問題が潜んでいる。すなわち、都合の良い例だけを選んでしまうと、自分の主張を正当化...
物理学

世界はなぜ11次元なのか:超ひも理論(3)

超ひも理論をざっくり理解 どんな理論なのか 前回の大統一理論では、電磁力・弱い力・強い力の3つまでを統合しようとしていた。超ひも理論は、これらに加えて重力も統合できる理論の候補である。なお、"ひも"でなく"弦"と呼ぶ方が一般的...
物理学

対称性と4つの力の統一:超ひも理論(2)

前回登場した4つの力を統一して記述できるようにしよう、という試みについてまとめる。 電磁力と弱い力の統一理論 ゲージ対称性 ここからのキーワードは「対称性」になる。対称性という言葉からは、左右対称などの図形的な対称をイメ...
物理学

素粒子の種類と4つの力:超ひも理論(1)

今回は超ひも理論(超弦理論)についてまとめていく。超ひも理論は世界の物質が何からできているのか、を説明する理論である。なぜクォークなどの素粒子では不足なのか、ひもだと考えると何がうれしいのか。その前段として、まずは素粒子の標準模型から話を...
人文学

日本では誤解されている?:反知性主義

「バカって言った方がバカだもん」というのは小学生に代々受け継がれている定型句であるが、同じ構文である「"反知性主義"という言葉を使う人間こそが反知性主義者である」という表現も10年近く前から既に使われている。よく貶し言葉になる一方で、それ...
人文学

鳥にとっての鳥類学と同程度にしか科学者の役に立たない:科学哲学

これは、科学哲学を揶揄してファインマンが言ったとされる言葉である。(実際は他の人らしい。)そんな科学哲学とその歴史についてまとめていく。 科学哲学とは何か 科学哲学は、科学を研究対象としている。科学的な課題に哲学の目線で取り組...
統計

因果関係を数理的に取り扱う:因果推論(2)

本稿では、因果関係に関する2種類の数理的扱いについてまとめる。 ・因果関係の強さを数理的に表現する ・数理的情報から因果関係を探索する 因果関係の大きさは、結果がどれだけ変わるか、で定義する 因果関係は、関係の有無だけではなく...
統計

「それってあなたの感想ですよね」に立ち向かう:因果推論(1)

どうすればその説明は説得力を持つのか。データをどうやって活用できるのか。EBPMや統計的因果推論に通ずる、因果推論の全体を概観してみたい。 原因を特定するのは簡単ではない 因果関係なのか、相関関係なのか 「酒は百薬の長」...
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